学生時代、「誰と誰が付き合っているか」が継続的に大きな話題だった。元から恋愛の読み物は好きだったし、周りがカップルで溢れていたので自分もいつかは?となんとなく考えていた。

バレンタインも参加したり、好きな先輩を作ってみたりした。でも、綺麗になる努力とか、そういうものに真剣に取り組む必要と感じていなかったし、胸をドキドキしてその人のことで頭いっぱいになって...とかそういう感情は湧かなかった。

この頃からもしかして「レズビアンなのかも?」とも思い始めて、同性の魅力的な女の子を意識してみた。二十歳になってからはビアンバーに訪れたりした。でも、やっぱり胸がドキドキしたり特定の人と性行為がしたい、とは思うことはなかった。

 

好き合ってるというのは素敵だなぁ、自分も好きな人がいればいいな、とずっと思っていた。でも考えるたびに「好きな人ってどうやってできるものなのだろうか?」という疑問が残っていった。

「好きになるってどういう感情なのか?」と質問には皆、口をそろえて「美味しいものとか、景色を共有したくて、いつも顔が浮かぶ人」と答える。それは自分には経験した事ない感情だった。

 

Aセクシャルという言葉に出会ったのは、ふと思い立って「恋愛、しない」というキーワードで検索したときだった。初めて「自分の感じ方に似ている」と思う事ができた。

 

今は、自分の恋愛観と性的指向をこれでいいのだ、と納得している。今後お付き合いするパートナーが現れたら嬉しいけど、自分のアセクシャリティはきっと変わらないな、と思っている。